金沢徒然その4・・・食彩歳時記
金沢食彩歳時記

 海と山に囲まれて、城下町金沢は、まさに食の宝庫です。
「金沢の味と言えば蟹?」・・・蟹だけなんて、以ての外。季節を大事にした四季の食彩がこの街にはあります。豊かな自然と永い歴史が育んだ金沢の味覚。金沢四季の味をちょっとだけ、ご紹介いたします。


◆イサザ
  四つ手の網が河口に並び、4センチほどの透き通った魚体が川面に跳ねる。二杯酢でいただく「踊り」が春の喉越しです。
◆タケノコ 筍
金沢の郊外、別所町には藩政時代から竹林が広がります。えぐみのない柔らかな味は、筍農家がこの時期だけ営む筍料理店で味わえます。勿論、朝堀りの筍はその日の昼には近江町市場で買い求めることが出来ます。
◆キンカトウ 金花糖
雛の節句には欠かせない砂糖菓子。鯛や野菜、福助などを型どった華やかなお菓子です。


◆アユ 鮎
金沢の街を貫く二本の川筋。犀川と浅野川。街並みから突き出すように並ぶ鮎竿が夏の訪れを知らせます。金沢ならではの鮎の食べ方。鮎のソロバン。輪切りにした鮎をおろし大根でいただきます。
◆ドジョウ 泥鰌
魚屋の店先に、長い串に刺した泥鰌の蒲焼きが並びます。夏の金沢、ビールに欠かせないのが泥鰌の蒲焼きです。
◆イワガキ 岩蛎
蛎は冬のもの?此処金沢では夏が旬です。天然の岩ガキはこの季節最高の味です。
◆カガヤサイ 加賀野菜
金時草、加賀太胡瓜、小立野茄子に金糸瓜。金沢ならではの野菜たちが、夏の食卓を豊かに演出してくれます。
◆ヒムロ 氷室
加賀藩が江戸に献上した氷雪に倣い、町人たちが七月一日に食べたのが、氷室饅頭と氷室竹輪です。冷たい氷、庶民の夢だったんでしょうね。


◆ゴリ 鮴
別名カジカ。ちょっと剽軽な顔をしたこの魚。一番美味しいのがこの季節。唐揚げ、白味噌仕立ての椀ものでどうぞ。
◆イイダコ 飯蛸
卵が沢山詰まった小さな蛸。
里芋と炊き合わせに。
◆ゲンスケダイコン 源助大根
甘みと柔らかさは一番です。
◆キノコ 茸
街中から車で二十分も走れば、サマツにシバタケ、旨くすればイッポンシメジも。


◆ニホンカイ 日本海の恵
ずわい蟹、甘海老、寒鰤、鱈、海鼠、岩海苔、皆さん良くご存じの日本海冬の味です。
◆カガレンコン 加賀蓮根
小坂で採れる蓮根は泥の付いたまま近江町市場に並びます。蓮蒸しに蓮根羹。寒い冬の日には蓮根の団子汁がお勧めです。
◆アオカブ 金沢青蕪
この金沢青蕪があってこその、かぶら寿しです。