金沢徒然その7・・・お正月の食
お正月の菓子

◆お雑煮
金沢のお雑煮はこれ以上は無い程とてもシンプル。昆布で煮た角餅にお澄まし仕立て、具は入らず結び昆布やセリを乗せるのが一般的。ただし金沢は角餅・丸餅分岐線(金沢・高山・三重を境に西は丸餅・東は角餅)にあるため丸餅を用いる家も多く、我が家でも紅白の丸餅と決まっております。能登や加賀の方に行きますと丸餅で味噌仕立てや小豆仕立ての所も見受けられ、京の影響をより強く受けているようです。
◆おせち
金沢のおせちの特徴の一つは鰤。かぶら寿しはもちろん鰤なます、照り焼きに刺身と鰤にこだわりを感じます。他にも特徴的なものとしてえびす(寒天汁に溶き卵を流し込んだべっこう色の寄せもの)や鱈のこぶ〆、寒鮒の甘露煮に甘海老や蟹などいろいろ入るのですが、金沢の鰤へのこだわりは格別です。今でこそ少なくなりましたが年末に娘の嫁ぎ先へ鰤を送るのを習いとする程、金沢人にとって鰤は晴れの日を飾る大切な魚なのです。
◆正月の菓子
季節の折々を大切にする金沢のお菓子。お正月のお菓子と言えばなんと言っても「福梅」。前田家の家紋を象った紅白の最中です。日持ちがするように皮は厚く腰の強い餡を使ったもの。お正月の金沢ではどちらのお宅でも福梅が出てきます。そして楽しみなお菓子と言えば、「辻占」と「福徳」。辻占は巾着包みされた菓子の中に占いの紙が入っているもの。福徳は打ち出の小槌や俵の形をした最中の皮の中に可愛い金花糖や縁起物が入っています。どちらも何が出るかと開けるのが楽しみな菓子です。