金沢徒然その8・・・お正月のあそび
旗源平

◆旗源平
近年は暖冬のため雪の無いお正月が多くなってはいますが、そうは言いましても金沢はやっぱり雪国。 「ウメガ〜イチ」「ゴサマノカンカント」、雪つりの庭に面した座敷の奥から子供たちの元気な声が聞こえてきます。 雪の中、凧揚げやコマ回しのできない金沢っ子のお正月の楽しみと言えば「旗源平」。源氏と平家の二組に分かれ、2個のサイコロを交互に振り、互いの持つ小旗・中旗・大旗・まとい旗を奪い合う昔からの遊びです。 例えば出た目が1と1なら「チンチンカモカモ」、3と3なら「サザナミ」と言った具合に声を揃えて囃し立てゲームが進みます。中旗が貰えもう一回振ることが出来る5と1「ウメガイチ」などが出ようものなら、もう大興奮です。雪に閉じ込められた子供たちにとって、何よりのストレス解消になっているようです。 ちなみに「ウメガイチ」の5を表すウメは加賀藩主前田家の家紋「梅鉢」から来ています。前田のお殿様の時代から武家の子供も町人の子供も親しんだ「旗源平」。時代を超えて平成の今も、お正月にはかかせない子供たちのお楽しみです。